
私たちが当たり前のように暮らしている日本の住宅
実はその考え方の原点は、はるか昔の縄文時代
までさかのぼります。
日本の住宅は、単なる建物ではなく
自然・気候・暮らし方に寄り添いながら
進化してきました。
この記事では、日本の住宅がどのように始まり、
どんな思想が今の住まいにつながっているのかを
わかりやすく解説します。
日本の住宅の始まりは「縄文時代の竪穴住居」
日本最古の住宅とされているのが、竪穴住居です。

地面を掘り下げ、その上に屋根をかけた
シンプルな構造ですが、ここには
現代にも通じる重要な工夫が詰まっています。
竪穴住居の特徴
地面の中に床があるため断熱性が高い
夏は涼しく、冬は暖かい
木・土・草など自然素材を活用
つまり、日本の住宅は最初から
「快適さ」と「省エネルギー」
を両立させていたのです。
稲作が住まいを変えた|弥生時代の高床式住居
弥生時代に稲作が始まると、
住宅の役割が分かれ始めます。
登場したのが、高床式住居です。

なぜ床を高くしたのか?
湿気を防ぐ
ネズミや害虫を防ぐ
洪水対策
高床式住居は主に米の保管庫として使われ、
人が暮らす住居とは区別されていました。
ここで日本の住宅には、
「用途に応じて建物を使い分ける」
という考え方が生まれます。
住宅が身分を表す時代へ|古墳〜奈良時代
時代が進むにつれ、住宅は
社会的地位を表す存在になります。
豪族・貴族:広く整った住居
庶民:簡素な住まい
また、この頃には中国からの建築思想が伝わり、
都市計画や住宅配置にも影響を与えました。
住宅は「雨風をしのぐ場所」から
権力や身分を象徴する存在へと変わっていきます。
日本住宅の完成形|平安時代の寝殿造
平安時代に登場したのが、
日本独自の住宅様式である寝殿造です。

寝殿造の特徴
壁を最小限にした開放的な空間
襖・御簾・障子で空間を自由に仕切る
自然の風や光を取り込む設計
この時代に「間取りを固定しない」
日本住宅の思想が完成しました。
現代の和室や可変式間取りの原点は、
すでにここで生まれていたのです。
なぜ日本の住宅は「自然と共存」するのか
日本の住宅の歴史を振り返ると、
一貫している考え方があります。
自然に逆らわない
気候に合わせて工夫する
必要に応じて変化できる
この思想は、現代の木造住宅、縁側、通風設計、
さらには水回り設備にも受け継がれています。
まとめ|日本の住宅の始まりが教えてくれること
日本の住宅は縄文時代の竪穴住居から始まった
気候適応が最重要テーマだった
弥生時代に用途分離の考え方が生まれた
平安時代に日本独自の住宅文化が完成した
私たちの住まいは、
何千年も前の知恵の積み重ねの上に
成り立っています。
https://www.youtube.com/channel/UCsbA8uOKp6SNUeOnrBZpdYA