最近人気の「回遊動線」。
キッチン・洗面・リビングなどをぐるっと回れる間取りは、
移動がスムーズで家事効率も上がるため、
多くのお客様が希望されます。
しかし、設計士として感じるのは
「便利さの裏側にデメリットもある」という点です。
まず、回れる動線を確保するために
開口や通路が増えると、壁量が減り、
収納や家具配置の自由度が下がります。
さらに“通路の面積”が増えることで、
30坪前後の住まいでは居室が狭くなりがちです。

そして意外と見落とされやすいのが
建具が増えることによるコストアップ。

回遊にするためには
2方向から出入りできる必要があり、
そのぶん開口と建具が増え、
結果的に工事費が上がります。
見積り段階では気づきにくいポイントですが、
回遊を広げるほど金額も上がる傾向があります。
また、行き止まりがない安心感の反面、
子どもがぐるぐる走り回って落ち着かない、
家族の動きが読みにくく視線管理が難しいという声もあります。
大切なのは、家中を回せることより
「生活の流れに合った必要最低限の回遊」にとどめること。
キッチン〜洗面だけ、玄関まわりだけなど、
ポイントを絞ると満足度が高くなります。
回遊動線は便利ですが、やりすぎると逆効果。
暮らしにちょうどいいバランスを見極めることが、
住み心地の良さにつながります。
これから家づくりを始める人、
間取りを検討中の方にとっての
ヒントになればと思います。
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