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日々通信

私心にとらわれない 松下幸之助

私達三和建設(静岡)は、現在稲森和夫経営塾の盛和塾の教えに従って、利他の心や、下記の私心に捉われないなど、日々勉強しております。その稲森会長も松下幸之助さんには色々と

教わる事があったようです。そこで今回、松下さんの記事を載せてみました。

1 私心にとらわれない

 松下幸之助さんの本を私はたくさん読んできましたが、その中でも好きな本の1つに「素直な心になるために」という本があります。「素直」ということをとても大切にされた松下さんらしいタイトルの本です。

 この本の冒頭に素直な心のあり方の1つとして、今回タイトルに挙げた「私心にとらわれない」という言葉が出てきます。私心とは「自分だけの利益や欲望にとらわれる」ということです。

 もちろん私たちは、「私心にとらわれない」と言っても、なかなかそれは難しく、松下さんも、次のように述べておられます。

「私心が全くない、というような人間は、いってみれば俗事を超越した神の如き聖人であって、お互い凡人がそう簡単に到達しうる境地ではないと思います」(*)

 余談ですが、松下さんの本を読んでいると、「凡人」という言葉が出てきます。松下さん自身が自分を「凡人」と思われていることにも驚かされますが、だからこそあそこまで素直に謙虚になれたのだとも思います。

 また、上記の言葉に続いて、松下さんは「やはり、普通の場合は、それなりの私心を持って日々の生活を営み、活動を続けているのが、お互い人間の姿といえるのではないでしょうか。またそれはそれでよいと思うのです」(*)と述べておられます。そうなのです。私たち凡人は、なかなか私心から抜け出せないものなのです。

 しかし、さらに文章は続き、「私利私欲の奴隷になってはいけない」「私心にとらわれて物を考え、事を行うということになると、やはりいろいろと好ましからざる姿がおこってくる」という主旨の言葉も残されています。

つまり、私利私欲はなくせないが、私利私欲にとらわれてはいけないということなのです。

2 人生を串団子のように生きる

 私の人生の師匠は8年前に99歳で亡くなった禅寺のお坊さん(曹洞宗円福寺藤本幸邦老師)ですが、私心に関連して、次のような話を何度かしてくださいました。それは「人生を串団子のように生きる」ということです。

 串団子には4つの団子があり、1つ目の団子は「自分」、2つ目の団子は「家族や親しい友人」、3つ目の団子は「会社や所属する組織」、そして4つ目の団子は「社会や国、世界」です。そして、その4つの団子のどれをも外さないように串を刺すような生き方をしなさいとおっしゃるのです。

 「自分」という団子を外して、「家族」「組織」「社会」に良いことを行うことは、「自己犠牲」といえます。しかし、それでは長続きしないのです。同様に、「自分」「組織」「社会」が良くても「家族」という団子を外して(つまり、犠牲にして)も、これも長続きしません。また、「自分」「家族」「組織」には良くても、不正を犯す企業のように、「社会」を無視していては、これも長続きをしないのです。

 私心にとらわれないということは、自己を全て忘れ去るということではなく、「自分」「家族」「組織」「社会」の4つの団子を串刺すように、全てがうまくいくことではないかと、私は考えています。

 松下さんも著書の中で、素直の結果として「だから、お互いに素直な心になることが大切なのです。素直な心になったならば、もちろん私心は働くけれども、それにとらわれることなく、他の人びとのことも十分に配慮する、というような姿になると思うのです」「また商売をする場合でも、自分の利益と取引相手なりお客の利益を同時に考え、よりよきサービスを心がけていくようになると思います」(*)と述べておられます。

 つまり、自分のことにも配慮しながらも、他の人のことも考えるということが、私たち凡人がとるべき考え方なのです。

松下幸之助

3 散歩のついでに富士山に登った人はいない

 一方、松下さんや藤本老師の言葉も、全て現実には即しているものの、かなり「理想的」な姿を示しています。それを実行することはなかなか簡単なことではないかもしれません。しかし、各人が理想像を持っているということが私はとても大切だと思っています。

 私の好きな言葉に「散歩のついでに富士山に登った人はいない」というものがあります。もう20年ほど前にお客さまのパーティーで、ある銀行の支店長が話しておられたのがとても印象的だったのですが、散歩のついでには富士山に登れないのです。

 同様に、人生も自分の「理想像」を持つことが私はとても大切だと思っています。理想の姿を持たない限り、そちらには向かっていかないのです。

 松下幸之助さんの言葉や藤本老師の言葉は、理想像を与えてくれるものだと思います。理想像を持たない限り、近場を必死で散歩してもがいていることにもなりかねません。人にも迷惑をかけるかもしれません。

 そして、理想に向かうことで人はエネルギーや勇気を得ます。もちろん、現実に妥協しないといけないことも現実社会ではあるでしょうが、それではエネルギーを失いがちです。「私心にとらわれない」という理想をうまく実現したいものですね。

参考文献

(*)「素直な心になるために」(松下幸之助、PHP研究所、2004年4月)

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