清水市立病院では漢方外来があり、この舌を診断して薬を出してくれたりします。
口の中は、その人の体質や健康状態など、さまざまな情報が集まってるからです。
特に、舌は変調のサインが真っ先に表れる場所とのことです。
舌を観察することで自分の体調を客観的に把握することができ、分類する口の中のタイプは、大きくわけて5つある。
(1)カッカッ熱化タイプ、(2)ネバネバ湿化タイプ、(3)カラカラ乾燥タイプ、(4)ドロドロ血流タイプ、(5)ギザギザ浮腫タイプ、だ。
そこで、5つのタイプの特徴について、それぞれ中城医師に解説してもらった。タイプごとにオススメの食材もある。
舌を見る時は太陽の光の下が最適だが、室内で見る場合は白熱球と蛍光灯が両方点いている光の下がいい。
舌の大きさ、形、コケの色、舌の裏の静脈など、鏡を見たり、家族で互いの舌を見比べてみたりしてほしい。
1)カッカッ熱化タイプ糖尿病や高血圧に要注意
舌が赤く血流の多い「熱タイプ」で、肉の焦げたような口臭がする。舌が赤くコケは少なめで
一見するとツルリときれいに見えるが、舌が赤すぎるのは熱で体がのぼせている状態を意味する。
「このタイプの人には美食家が多く、糖尿病や高血圧といった病気になりやすい体質です。
男性に多く見られますが、更年期以降の女性にも時々見られます。舌が赤いのは
、体全体が炎症を起こしているような状態で、舌が赤すぎるとピリピリした痛みも伴っているでしょう。
舌のコケがつかないほどまで赤くなると、脳梗塞のリスクが考えられます。いちごのように真っ赤になっている場合は、
専門医に診てもらってください」
性格的な特徴は、短気で怒りっぽい傾向。押しが強く、バリバリと仕事をする人も多い。
胃に熱がこもるタイプなので、胃の熱を下げてくれるハトムギ茶、そば、きゅうり、かき、しじみなどを食べるとよい。
口の中は粘着質で、唾液が粘りやすく、黄色いコケが舌についている。
このタイプの人はゲップが出たり、鼻炎や関節炎になりやすく、粘り気のある鼻水が出るなど、
全身的にどこか「粘り」がある。胃と肝臓が弱く、口臭は硫黄のような臭いが特徴。
「このタイプの人がストレスにさらされたり、緊張状態が続いたりすると交感神経が優位になり、
痰が出やすくなります。最近若い人の間にも増えているのが、喉のつかえを感じるというもの。
しかし、検査をしても喉には何の異常も出ません。原因はストレスだと考えられます。
本来、体液はサラサラと流れているものですが、長時間のストレス下で体が少しずつ燃焼し続けた状態となり、
水分が奪われて体液に粘りが出てきて、鼻や喉や関節など、体のさまざまな所にたまりやすくなります」
また、もともと体に“湿”をためやすい体質であるため、湿気の多い梅雨時になると疲労、
頭重感、めまいなどを訴える傾向がある。「本来体が抱えている“湿”に、季節の“湿”が
プラスされることで不調が出やすくなるのです」(中城医師)
このタイプの人にいいのは湿を出す食べ物。メロン、スイカ、セロリ、白菜、ウーロン茶、緑茶などがある。
(3)カラカラ乾燥タイプ
舌に大きなシワ、雑巾臭も
舌が干し椎茸のように乾燥して縮んでいる状態で、裂紋(れつもん)という大きなシワが目立つ。口臭は乾いた雑巾臭。
「完全に水不足のタイプです。特に症状が出やすいのが冬。口が乾くだけでなく、ひじ・ひざ・かかともカサカサしていたり、
髪がパサついていたりします。ドライアイでまぶたがけいれんすることもあるでしょう。
このタイプは、舌が突っ張った感じでヒリヒリとした痛みを伴う人もいます。唾液が少なく、
細胞が乾燥して縮むから舌の味蕾(みらい)がつぶれて味が分かりにくくなっています。
そのため、自然に濃い味付けを好むようになりますが、これが続くと、糖尿病になりやすいので要注意です」
このタイプの人の健康状態が悪化すると、便秘、骨粗しょう症、高血圧から、腎不全、動脈硬化、
脳卒中といった重症な病気へとつながっていくという。
起きている時の水分の消費が激しいので、昼~夕方にかけて体が乾燥し、関節がきしむような痛みが
出るなどの不調を感じるようになるのが特徴だ。
潤いを与えてくれるレバー、うなぎ、小魚、のり、わかめ、ひじき、ホウレンソウ、玄米、ピーナツ、プルーンなどがよい。
(4)ドロドロ血流タイプ
舌が紫色、更年期女性に多い
血液の中の酸素が欠乏して皮膚などが青黒くなる、チアノーゼになった時のように舌が紫色になり、血生臭い口臭がある。
「ドロドロ血流タイプは血流が悪く、足先が冷えやすいなど、特に下半身が冷えるのに、頭は火照ったりしています。
女性全世代に多いですが、特に更年期の女性によく見られます。このタイプは、青アザがでやすい、
手足にクモ状の血管が出ている、目の下にクマがある、爪の甘皮がむけやすいなどといったサインが
日常的に体のあちこちに出ています。症状が進むと、子宮内膜症や脳卒中、心筋梗塞のリスクが高まります。
症状が重症化している場合は、舌の色が相当変色しているはずです」
重症化している場合は、舌の裏にも注意が必要になるのだとか。
「舌の裏側には、舌下静脈と呼ばれる太い血管がありますが、これが青黒く、ボコボコと出ていたら脳卒中のリスクが
相当上がっているので、見つけたらすぐに循環器系の専門医に診てもらってください」
睡眠をよくとり、半身浴などでリラックスを心がけることが大切だ。血液をサラサラにする青魚、
玉ねぎ、長ネギ、らっきょう、ニンニクなどを食べるのもよい。
(5)ギザギザ浮腫タイプ
冷え性や疲れやすい人は要注意
「体の水分が多い人で、冷えやすいのが特徴です。しかし、このタイプの人の冷えは、ドロドロ血流タイプの冷えとは違い、
水分過多による全身的な冷えです。他にも、むくみ、下痢、慢性疲労、体のだるさ、鼻水、嘔吐といった症状がみられます。
このタイプの人は、気圧に影響されるため、台風シーズンに体調を崩しやすいです。
舌が膨れた状態が長期間にわたって続くと、舌がんのリスクが上がります」
体にこもった湿を追い出す、しそ、パセリ、にら、クルミ、栗、みそ、酢、納豆、しょうがなどを取るとよい。
食材は、体質によって食べるとよいものが異なるので、情報番組などで「これがいい!」と
言われているものが万人によいわけではない。自分に合った食べ物を知り、正しく取ることで、
体質改善につながるという。
症状が悪化している場合は生活習慣の改善だけでは間に合わない場合もある。
しかし、日常的に舌を見る習慣をつけることで、日々の自分の体調を把握するバロメーターとして使えるはずだ。
(ダイアモンドニュース参照)
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